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20R ニューホープ後編中山先輩のその言葉に、以前水野さんが、中山先輩は十回戦えば九回は勝てる相手でも、たまたま残り一回の負けがリーグの公式戦で出てしまったために、結果的に白星配給係になってしまっていた、と言っていた事を思い出した。「ま、私のムラがあるという弱点は、今回のニューホープでも治ってなかった訳だから、優勝決定戦に進出できなかったのも仕方ないのかもしれないなぁ。大技やられたとかそういう事は関係無い、如月との試合は本当に完敗だと認めるしかないから」 先の十回戦えば九回勝てるの例に当てはめると、中山先輩にとって晶ちゃんは65536回戦えば65535回は勝てるほどの実力差かもしれないな。その数字はどこから出てきたのかって聞かれても困るけど。 そんなこんなで、いよいよニューホープカップ最終戦の試合が始まった。今日の対戦カードは普段と変則的だ。ニューホープの出場選手八人から決勝で戦う二人(つまり私と中谷さん)を除くと六人。そこからさらに、出場停止処分を受けている晶ちゃんを除くと五人だ。その五人で対戦カードを組もうとしたら一人あぶれる。 そういう訳で、中山先輩を除いた四人による二対二のタッグマッチが第一試合。このシリーズを最後にひとまずNJWPを去る中山先輩は、普段は休憩明け以降に試合している中堅の先輩と第二試合でシングルマッチ。そして第三試合には、やはり中堅の先輩選手同士のシングルマッチだ。そして休憩を挟んで、沙希さんたちトップレスラーがタッグマッチなどで顔見せ的に試合する。最後の試合、つまりメインイベントはニューホープカップ優勝決定戦だ。普段は絶対メインで試合なんて出来ない前座の若手選手ではあるけど、今のシリーズはその若手が主役のシリーズだ。普段のシリーズの最終戦のメインがタイトルマッチなどの大一番であるように、ニューホープ最終戦はニューホープ出場選手が締める訳だ。つ |
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