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20R ニューホープ後編なってしまったから……。もう作戦とか関係なく、精一杯戦うだけです」「そっか……」 と、笑みを浮かべる中山先輩。 「中谷の受け身は底なし沼だ。どんどん攻めようとしても気付いた時には中谷の世界にどっぷり浸かっている。私も攻め続けながら結局引き分けてしまったんだからな。だけど、その引き分けを経験した事で、中谷攻略の糸口が見つかったんだよな」 「え!? それはどういう……」 「今この作戦を実行したら、私なら100%勝てる自身があるけど、山神はどうかな……。とにかく自分からは手出ししないで徹底的に受け身に回るってことだ」 「受け身に回る……? でも、中谷さんが元々受け身のスタイルなのに、それじゃあ受け身同士になってしまうんじゃないですか?」 「その通りだ。受け身同士だと試合が膠着してしまうよな」 「でも、お客さんを満足させるという点で考えたら、そういう膠着したつまらない試合は……」 「そこが狙いだよ。膠着しそうになったら、中谷は必ず動く」 「必ず、ですか?」 「ああ。だって、前座の若手の中で、あいつほど客の目を気にする選手が他にいるか? いつもは相手の技を受ける事で客に見ごたえのある試合を見せようとしてるんだけど、相手が動かないのに客を満足させるには自分が動くしかないじゃないか。つまり、普段とは違う事を中谷にさせるわけだよ。そうしたら必ずどこかにほころびが出てくる。そこを突くんだ」 中山先輩の言っている事は理解できる。でもそれを実行出来るかどうかの部分で大きな問題があっ |
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