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15R 対抗戦前夜

 私の心は不安でいっぱいになっていた。もちろん未知の敵に対する不安もある。しかし、一番の不安 は内部の人間の意識に対してだ。
 私は毎晩のように中谷さんとセメントのスパーリングを重ねていた。そして終わって合宿所に帰る道す がら
「このままでいいんでしょうか」
 と中谷さんに聞き続けた。中谷さんは黙って首を横に振るだけだった。いつも明るい元気印の、先輩 たちからは「能天気と書いて中谷と読む」と言われるほどの中谷さんでさえ、NJWPの現状には何も言え ないみたいだ。


 対抗戦の日時は刻一刻と迫っていた。








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