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15R 対抗戦前夜

にマッチメーカー、実際に戦う双方にも打ち合わせている、あくまでこれが普通のやり方だ。一方、NJWPでは(というより沙希さんのやり方では)、選手を煽る事でその気にさせたりする事で、アングルを描いている。例えば中谷さんのデビュー戦で沙希さんが直々に相手をした。雲の上の存在である沙希さん相手にデビューなんて、先輩たちから言わせると当然面白くない。そこで水野さんと紺野さんが決起した。この二人が中谷さんに対して「生意気な新人と試合させてください」と沙希さんに直訴したのは本音の部分だけど、そうするように沙希さんが仕向けたのも事実だ。「私のはナチュラルアングルだから」と沙希さんはよく口にしていた。
 でも、社長が「馬の骨」と言った事でジャパンレディースの選手が怒った、という事を考えたら、社長も立派に「ナチュラルアングル」やってるじゃない、と密かに考える私だった。もっとも、社長の場合は、ナチュラルはナチュラルでも「ナチュラル(天然)アングル」なのかもしれないけど。


「メジャーとインディーの差は、所詮は会社の規模の違いだけ」
「むしろ実力は逆だ」
「力の差は歴然」
「弱い者いじめはしたくない」
「怪我したくなかったらせいぜい練習しておけ」
 などなど、ジャパンレディースの選手のコメントがスポーツ新聞を飾った。もちろんNJWPに対しての挑発だ。こういったコメントにもNJWPの一部の選手は冷ややかな目を浴びせるだけだった。
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