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15R 対抗戦前夜と叫ぶ。ジャパンレディースは次期シリーズの会見、ここでは今のシリーズの今後の展望についての会見のはずだった。しかし、記者達は本来の目的を忘れて、突然のアクシデントに「対抗戦の日時と会場が決まったぞ!」「特ダネだ!」と口々に叫んでいた。 記者達も、団体同士の交流は、表向きではそれらしく振舞っていても、その舞台裏では予め打ち合わせされてる事は知っていた。しかし、今回の“事件”は“本物”だと信じて疑わなかった。正に沙希さんと長谷川さんの作戦勝ち、だ。 しかし、特ダネに沸く記者とは正反対の反応を示す人も、その場にはたくさんいた。私を含めた選手一同だ。 「マジかよ」 「元はと言えば、男子プロレスの東京ドーム大会の会場で喧嘩したのが切っ掛けだろ? 対抗戦なんてとんだとばっちりだよ」 などと小声で囁きあう選手もいた。 逆に、ジャパンレディースの選手達は、ついに決まったと闘志をむき出しにしていた。それほど、ウチの社長の「馬の骨」発言は、ジャパンレディースの選手の反感を買うには充分すぎた。 |
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