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15R 対抗戦前夜NJWPで大技禁止なのは二つ理由がある。一つはお客さん相手の理由で、第一試合から大技連発だとメインイベントとの差別化が図れないから。つまり料理のフルコースと同じで軽い前菜から始まって最後にメインディッシュを持ってくることによってお客さんに満足してもらう為だ。最初からメインディッシュの連続だと、最後の方はもう食べれなくなってしまう。しかも若手という事で料理の味、つまり試合内容はいまいちだ。いくら最後に美味しいご馳走があっても、まずい料理がメインディッシュ並の量でドカドカ来たらお客さんも参ってしまうだろう。 もう一つの理由は、選手のためのものだ。体も満足に出来上がってない、受け身の技術もいま一つの若手には大技は危険すぎる。プロレスのリングのマットはボクシングなどとは違ってかなり柔らかい。ボクシングのリングで大技連発のプロレスの試合をしたら、間違いなく死亡事故が多発する。しかし、いくらマットが柔らかいといっても格闘技である以上、安全性では百パーセントはあり得ない。悲しい事だがプロレスの試合中のアクシデントが原因で亡くなった選手もいる。つまり、若手に大技を連発させるのは、死になさいと言ってるようなものなのだ。 「……でも、これがメジャー団体とインディー団体の差なのかもしれないね。初っ端から大技をどんどん出さないと客を呼べないというのも経営上の問題としては仕方ない部分もあるし。ジャパンレディースは既にインディーを超えた、第二のメジャーだと雑誌などには書いてるけどさ、大会場はともかく地方会場だと空席が目立ってるって言うから。地方会場の赤字のツケを大会場で埋め合わせしてるってのが現実らしいし。じゃあ、地方巡業を全く無くして東京とか大阪などの大都市だけで試合しろって言うわけにもいかないからね。そんなことしたらNJWPだって即倒産だよ」 中谷さんはそう言うと、続けて現実の世界の景気とプロレス界の景気は数年ズレがあると言った。簡 |
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