| もどる |
15R 対抗戦前夜えっへん。「でもジャパンレディースってば、危ないなぁ」 中谷さんの言葉に私の思考は中断された。 「危ないって、何がですか？」 私が聞くと、中谷さんは雑誌の中の写真を指差した。 「この技」 ブレーンバスター（相手の体をまっ逆さまに高く抱え上げて自ら後ろに倒れこむ事で相手をマットに叩きつける技。元々は後ろに倒れこむのではなく、抱え上げた状態で尻餅をつくように落とすのが元祖。そうすると相手は垂直に頭から落ち、正にブレーンバスター（脳天砕き）の名にふさわしい荒技だったが、今では後ろに倒れる方が主流）の写真だ。 「ブレーンバスターがどうしたんですか？」 「この娘ら、私や愛ちゃんと同じくらいのキャリアしかないんだよ。そんなのがこんな大技やったり受けたりしたら……」 そうだ。NJWPでは前座の若手選手は派手な大技禁止なのに、ジャパンレディースは禁止されてないのか大技が連発されてるように写真から感じられる。 「エースの長谷川さんはウチの沙希さんと同等の実力を持ってるから、メインイベントの試合のレベルはかなり高いと思うのよ。でも前座がこれじゃあ……。メインでやるような技を下手な選手が連発してたら、メインの出来の悪いコピーみたいだよ。受身や技の正確さ等からケガの心配もあるし」 |
前ページ 次ページ |