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12R バトル・ロイヤルしばらくして「バトル・ロイヤルでは最後の一人を決めるまで戦いは終りません! よって、これより通常のプロレスルールによる延長戦に移ります!」 と沙希さんがマイクを持って観客席に向かって叫ぶ声が聞こえた。 最後の一人? 延長戦? なんとか立ち上がってみると、ほぼ同時に中谷さんも立ち上がってきた。そして、リング内を見渡したら……、リングの中にいるのは私と中谷さんとレフェリーの、たった三人だけだった……! じゃあ、結局中谷さんの言ったとおり、私たちになるまで回し続けていたんだ……。 と、足元がふらつき、なんとかロープに掴まってその場に踏みとどまる私。さすがにあれだけ回り続けていたら目も回って平衡感覚も狂っている。中谷さんを見ると、セコンドに洗面器を貸してくれと言っていた。吐き気をもよおしているみたい。 「中谷ちゃん、愛ちゃん。中谷ちゃんは誰よりも上手い受身、愛ちゃんは誰よりも頑丈な体を持ってるわ。この試合だけ大技を解禁するから思いっきりやりなさい!」 沙希さんがリング下から声を掛けてきた。 |
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