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11R 大技「森山さんは……超一流のトータルファイターって事なんでしょうか……?」「ちがうよ。森山さんは“プロレスラー”」 ??? 「あ、あの? 私も水野さんも紺野さんも、中谷さんだってプロレスラーですよ?」 「う〜ん、他の格闘技見てもさ、打撃専門のストライカーでも逆水平チョップなんて使わないでしょ」 「あ、はい」 たしかにK1は言ってみればキックボクシング。パンチはあるけどチョップは無い。しかも逆水平なんてプロレス以外の格闘技では見ない技だ。PRIDEのような総合格闘技で桜庭さんはプロレスでもよく使われるチョップを使ったりするけど、彼の場合はあくまで“プロレスラー”を自称していて、プロレスラーとして総合に挑んでいるんだ。 「それに、足四の字固め。関節技ではあるけど、あんな技グラップラーは使わない」 これも言うとおりだ。一瞬の隙が命取りになる総合格闘技で、四の字のような仕掛けるモーションが大きく隙の多い技は使えない。確かにプロレスも一瞬の隙は命取りではあるけど、それは不用意に技を受けない事、技を受けるときは正面から堂々と受ける事、という意味で、あくまで技を受ける事を前提としている(フィニッシュになるような技は食らったら終わりなので、必死に抵抗するけど。抵抗するのを強引にやるからその辺の攻防もプロレスの醍醐味なのよね)。 「そういう意味では、森山さんの実力は他の格闘技の裏づけが無い、純粋にプロレスだけで培ったものなのよ。だから森山さんは“プロレスラー”」 「でも、グラップラーだという中谷さんだって、いわゆるプロレス的な技、よく使いますよ」 |
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