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10R プロ

 カンカンカン!

 試合終了のゴングが鳴った。時間切れ引き分けだ。試合時間15分をフルタイム戦ったのだ。さすがに私も中谷さんも疲れ果てていた。私にとっては生まれて初めての負け以外の試合だった。ちなみに、その日の全試合の中で一番客が沸いたのもこの試合だった。
「疲れた~。受身に回っても勝てるだろうと思ってたのに。次、戦うときは少し攻撃も入れないと負けてしまうかもしれないね~」
 握手しながら私に中谷さんが言った。
「そんな……。まだまだですよ。今日は運が良かっただけです」
 私が言うと、中谷さんはにっこり笑いながら首を横に振る。
「さすがに数ヶ月が過ぎてるんだもん。デビュー戦に比べると、全然上手くなってるよ。戦ってるからこそ解る、ってとこかな。今日のように戦えば、他の先輩相手にもじゅうぶん善戦できるし、あわよくば勝てるかもしれないよ」


 しかし、次の日の試合は、いつもの私に戻っていた。
 その日も沙希さんに呼び出される。
「昨日と今日と、なんでこんなにテンションが変わるの? 中谷ちゃん相手と同じ気迫で試合すればもっといい試合になるはずだよ?」
「わ・私は、昨日も今日も同じように戦ってます! 昨日だって中谷さんが受身に回らないで最初から攻
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