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9R デビュー戦その日の夜、晶ちゃんがやってきて「センパ〜イ、中谷さん、最近は3Pやってるみたいですよぉ〜!」 と言ってきた。私は飲みかけたジュースをふき出す。 「あの、晶ちゃん? まさかとは思うけど、このこと……」 「他の先輩にはみんな報告した後ですぅ、センパイが最後ですぅ〜」 晶ちゃんが腕をさすりながら私の部屋を出て行った。 そして、ついにレッスルクイーンフェスティバルシリーズが開幕した。公式戦に参加していない選手も通常の試合があるので、前座の若手にとっては普段のシリーズと変わりは無い。その開幕戦の前座第一試合が私のデビューだ。 さっきから心臓がバクバクしている。そろそろ着替えないといけないのだけど、それもままならない状態だ。そんな私を見て、沙希さんがリングシューズを履かせてくれた。 「しっかり履かないと、こういう小さな事でもケガに繋がるからね」 とか言いながら。 コスチュームの水着は無地のワンピースだ。最近は他の団体とかは若手でも派手なコスチュームで試合しているけど、NJWPは若手は無地と決まっている。男子の新日本プロレス若手の、ストロングスタ |
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