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9R デビュー戦

「あ〜、腰が痛い……。昨日はがんばりすぎたからなぁ……」
 腰を叩いたり回したりしながら中谷さんが言った。
 腰が痛い……。がんばりすぎた……。晶ちゃんの証言、男と密会……。
 私は耳まで真っ赤になってしまった。
「わ・私、先に道場に行きますっ!」
 私はそう言うと、振り向かずに合宿所を後にした。

 そりゃ確かに、男の人と付き合った事の無い私とは違って中谷さんは学校にいた頃はモテてただろうし、その、ああいうことも経験あるだろうけど……。わざわざ秘密にしてまで三禁を破って、どういうことなんだろう。ったく、うらやましい……じゃなくて、なんだっけ。あ〜、もう解らない!

 朝練が終って、食事をとっているときに中谷さんが
「今日も夜、特訓するんでしょ? 今日は逆エビ固めの効果的な掛け方を教えてあげるね」
 と言ってきた。
「すみません。今日はちょっと見たい番組があるから……」
 嘘だ。決して中谷さんを避けているわけではないけど、今日はなんか特訓する気が起きない。
「そう? ま、いいか」
 中谷さんは全く疑う様子も無く私の言葉に頷いた。

 その夜、いつも私との特訓が終るくらいの時間に中谷さんの部屋のドアをノックしてみた。が、返事が
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