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8R 道場パート2

てそう言ったのではなく、本当に疲れていたみたいだ。というか、私に気を使う心がほんの少しでもあったら、もっと早く解放されていただろう。
「山神、あんたの体は確かに全身くまなく鍛えられてて素晴らしい筋肉を持ってるけど、その筋肉は今の時点では所詮ただの肉だ。レスラーはそれを筋肉の鎧にしなきゃいけない。受身が取れなくても投げろって中谷に言ったのは、投げられながら受身を体で覚えるという意味のほかに、鎧を作るという意味もあるんだ」
 息も絶え絶えの私に水野さんが言った。
 その間晶ちゃんはブツブツ言いながらスクワットをしていた。

 練習時間が終わりお食事タイムとなった。道場に沙希さんと晶ちゃんを残して全員食堂へ向かう。
 普段は体が疲れ切っているところに大量の食事で食べる気も失せる、なんだけど、今日は全身の痛みで物を噛む力も無くなっていた。たった一口のご飯を噛んで飲み込むのに一分はかかった。当然完食するのにかなりの時間がかかってしまった。

 食事が終ると後は自由時間なんだけど、ちょっと道場に顔を出してみた。
 晶ちゃんはブツブツ言いながらスクワットをしていた。

 合宿所に帰って自分の部屋に入ると、そのまま畳にバタンキューだ。まだ昼過ぎなので寝るには早い時間だし、全身の痛みで眠る事も出来ないけど、もう立つ事も出来なかった。
 しばらくして痛みがある程度引いてきたので、上半身を起こして服を脱いでみた。全身アザだらけだ。
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