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7R 新人戦

「あ・愛ちゃん……、いつの間に……」
 と言っているのが聞こえた。水野さんは私の下で、信じられないという顔をしている。
 ただ一人、中谷さんが
「愛ちゃん、上手い!」
 と拍手している。

「愛ちゃん、タックルなんてまだ教えてなかったよね」
 しばらくして沙希さんが聞いてきた。松田さん達に教えてもらった事は秘密になっているので、私は
「あの、他の人のやっているのを見よう見まねで……」
 とだけ答えた。それを聞いた紺野さんが
「私だってタックルをマスターするのに結構かかったのに見ただけでやられちゃ、アマレスやってたのに自信無くすよ」
 と、苦笑いしていた。
「まあいいわ。スパーリング続けて。その体勢から」
 タックルで水野さんを倒した状態からスパーリングが再開された。が、ここから先は何をやっていいのか全く解らない。あっという間に水野さんに体勢を入れ替えられて、気付いたときには足に激痛が走っていた。アキレス腱固めだ。
「!!」
 口が自由なら口頭でのギヴアップもありだが、あまりの痛さに声も出ない。私は必死にマットを叩いた。
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