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6R 前座戦線

ありますよ」
 ピシッ!
「痛っ! 何するんですか、中谷さん〜」
 いきなりデコピンされた額をさすりながら訴える私。
「前座で最強なんてケチ臭いこと言わないでよ」
 と、中谷さんは苦笑いしている。
「じゃあ、NJWP最強ですか?」
 ピシピシッ!
「いったぁい! やめてくださいよぉ!」
「私の目標は、世界一のテクニシャンなの! 少なくとも受身と関節技に関してだけはNJWP実力ナンバーワンの森山さんを超えてるもん!」
 いま確かに受身と関節技は森山さんを超えていると言った……よね? どこからそんな自信が出てくるんだろう……。
「じゃあ、その、訂正します。落ちグセさえ直せば世界一にだってなれるんじゃないですか……?」
「なれるね」
 即答。きっぱり。
「でも、実際は難しいねぇ。いまのうちは私の柔道技も通用するけど、そのうち相手も私のパターンを読んでくるだろうからねぇ」
 人並みに謙虚なところもあるんだな……。
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