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6R 前座戦線

野さん相手にやはり休憩前に組まれている。これらの試合は水野さんと紺野さんの直訴によって組まれたらしい。

『私たちでさえ、まだ沙希さんと戦った事無いのにいきなり新人がデビューで試合するなんて!』
『私たちとあの生意気な新人の試合組んでください!』

「……と言うわけ。うまくあの二人も私の仕掛けに乗ってくれたわね」
 と沙希さんが話してくれた。
「あのぉ、沙希さん、二人とも今すぐ休憩あとの方で試合しても充分通用するのに、私はまだこの前デビューしたばかりなんですよぉ……」
 中谷さんが沙希さんにぼやいた。
「あの二人も中谷ちゃんも同じ前座組じゃない。今日や明日試合しなくても、いずれって言うかすぐ試合は組まれちゃうよ。だから諦めなさい」
「諦めろって、既に私はボコられ決定ってことですかぁ!?」
「あのねぇ、諦めろって言ったのは、カードが組まれた事に対してよ。中谷ちゃんだっていいもの持ってるんだから、逆に食ってやろうって思いなさいよ」
「食えるかな……?」
「食える食える! 関節極めたら、もう折るつもりで締め上げなさい! あの二人だってバカじゃないから、折れそうだと思えば潔く参ったするよ!」
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