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4R 道場言われた通りに再び南さんにタックルした。たいした力を入れたつもりも無いのに簡単に南さんを倒せたので驚いてしまった。「よし、完璧だ!」 松田さんが手を叩いて叫ぶ。南さんは驚いた表情で 「マジかよ!? 一度聞いただけでやっちまうなんて!?」 と叫んでいる。余りに簡単に倒せたので、わざと倒れたんじゃないかと思ったけど違うみたいだった。 「よし、応用編だ。南、今度はタックルを切ってやれ。新入り、今度は簡単に倒せないぞ、やってみな」 「はい!」 私はまたまたタックルをしたが、今度は倒せなかった。私がタックルに入る寸前に上手く重心を移動させていたのだ。思わず力が入るが、力を入れれば入れる程南さんの体は重く感じて動かなくなった。 「バカ、それじゃさっきと同じだろ! 力だけじゃ駄目なんだ!」 松田さんが声を上げるが、もうどうしていいのか解らない私の体は更に力んでしまう。と、その時、南さんが私の上から覆い被さってきた。 「!?」 南さんの腕が私の首に絡まってくる。フロント・ネック・ロックだ。 「〜!!」 声が出ない。南さんは 「どうだ? まいったか?」 |
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