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4R 道場

「まあ柔道はね。でもプロレスとは違うから。大体相手が悪いね。あの相手、紺野ちゃんって言うんだけど、アマレスの日本女子チャンピオンだもん。いくら関節技が上手くてもポジション取れなければ意味が無いんだから。紺野ちゃん相手だと、アマレスルールだったら私でも歯が立たないしね。でも柔道ルールなら中谷ちゃんの圧勝だけどね」
 紺野さん……かあ。レスリングチャンピオンって凄いな。
「スパーリングで紺野ちゃん相手に互角に渡り合えるのは、ほぼ同期の水野ちゃんね。空手出身だけど組み技にも完全に対応しているし」
 見ると中谷さんは今度は水野さんに弄ばれて悲鳴を上げている。
「まあ空手と言っても打撃だけじゃなく、むしろ総合格闘技に近い流派らしいけど。でもあの二人も入ったばかりの頃は本当に話にならなかったんだけどね〜」

 練習が終わるとようやく御飯にありつける訳だけど、ハードな運動した後だから、とても食べれそうにない。なのにてんこ盛りを無理矢理詰め込まれて、残しては駄目というのはあまりに苦しかった。普段食べても多過ぎる程の量だから、ちょっとの弾みで逆流しそうだ。
 食事が終わるともう何もやる気力も無くなっていた。食べてすぐ寝ると牛になると言われても体が言うことを聞かないのだから仕方が無い。しかし牛や豚になるどころか、体がこの環境に対応できてないのか、たった三日で5キロも痩せてしまった。

 そんなある日、お母さんから携帯に電話があった。
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