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1:タイムストップ彼は大事な事を忘れていた。物体が猛スピードで動けば空気との摩擦で高温を発生させる。隕石が大気圏に突入すると火の玉になって流星になってしまうのもこの原理だ。時間を止めた状態で物体が動こうとしたら、無限大の空気抵抗の中で動く事になる。その結果、空気との摩擦で発生する熱は計り知れない高温となる。被験者(彼)が消滅してしまうどころの騒ぎではない。その高熱はあらゆるものを消滅させるに充分過ぎるほどのものになるだろう。その瞬間を最後に、宇宙は消滅した。 |
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