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最終章・前編

 それから半年が過ぎた。もう、誰が見ても妊婦だとわかるくらいに星来のお腹は膨らんでいる。
「おい、いい加減親に言ったほうがよくないか? もうお前がなんと言おうと、俺はウチの親にも話すし、お前の親にも会いに行くぞ」
 いつまでも「先でいい」と言う星来にミノルは業を煮やして言った。
「じゃあ、今度のアンタの休みの日に、私の実家に一緒に行こうか。でも、アンタの休みって平日だよね。ウチの親は共働きで、平日は両方ともなかなか捕まらないんだ。次の日曜日に私が行って、アンタの休みの日に二人とも揃うように言っておくよ」
 星来がこう答えたので、ミノルはようやく安心した。
「でも、お前の腹を見て、お前の親は驚くだろうな……」
「怒鳴り込んできたりして」
 笑いながら言う星来に
「そうなったとしても、覚悟してるよ」
 とミノルは答える。
「今まで親にもまだ言わなくていいと言ったのは私だからさ。心配しなくてもそれは絶対させないから安心しな。ちゃんと言って聞かせるから」
「そうか。悪いな」



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