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第十章

 それから数ヵ月後、星来は体の不調を感じて病院へ行った。
 星来は妊娠していた。


「どうだったって? なんかの病気だったのか?」
 帰ってきた星来にミノルが聞く。星来はわざと何事も無かったかのように
「妊娠だってさ」
 と、平然と答えた。それに対してミノルも平然と
「そっか、病気じゃなくて良かったな」
 と言う。その反応に少し拍子抜けした星来は
「そんなに落ち着いていられるものか!?」
 と詰め寄った。
「だってばさ、付き合い始めてから今となっては数え切れないほどやってるんだぞ? いくら避妊しても、避妊に100%ってものは無いじゃないの。いまさら子供が出来たからって驚くほどのことでも無いだろ」
 と答えるミノル。
「そうか……。で、どうしよう?」
 初めて不安そうな顔を見せる星来。
「どうしたい? お前の体だからお前が決めな」
 ぶっきらぼうに言うミノル。
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