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第九章

 星来は時計を見ながら
「まだ病院開いてないだろ……。も少し寝させろよ……。こっちは寝不足なんだから……」
 と呟くように言う。
 ミノルは、なぜ寝不足なのかはあえて聞かなかった。おそらく自分の様子を夜遅くまで看ていたのだろうが、それを星来が自分の口から言うのは、彼女のプライドが許さないだろうと思ったからだ。
「オッケー。じゃ、俺は大丈夫だからベッド使え。病院が開く時間になったら強引にでも起こすからな」
 ミノルはそう言うとベッドから降りた。












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