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第十章

“ゲーム”の決着がつかないまま、数年が過ぎていた。

 ミノルと星来は、相変わらず仲間との飲み会では口も聞かない状態なので、恵(今では彼女も定例飲み会メンバーになっている)と崇広以外は二人が付き合ってることなど知らない。二人にとっては、たまたま仲の良いグループが違うのでそれぞれで勝手に楽しんでいるだけなので全く問題は無い。問題があるとしたら周りの仲間だ。みんなミノルと星来のことを、救いようの無いほど仲が悪い犬猿の仲だと信じきっている。それだけに、二人を出来るだけ近づけないようにと、気を使っているのだ。それも当然だろう。二人は飲み会の最中に大喧嘩した実績?があるのだから。だから、最初にミノルと星来は飲み会では口を聞かない状態、と書いたが、実際のところは“口を聞かない”のではなく“口を聞けない”というのが正解だ。二人の仲を知ってしまった恵と崇広は、そんな周りの様子にヤキモキしているのだが、ミノルと星来は口を揃えて「いいんじゃない?」と言ってたりする。








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