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第八章「お前もバストアップしたかったら腕立てを少しくらいやったらどうだ? 肥満だからって変なダイエットすると胸から痩せて“まな板”とか“関東平野”とか“ゼロメートル地帯”になるぞ」と言う。 「……肥満だとか、まな板だとか……。本当に失礼な事ズバズバ言うのね〜。そういうミノルはまな板ならぬ洗濯板の癖に」 そう、ミノルは結構痩せ型で、直子と付き合っていた頃は胸に肋骨が浮き出ていたのだ。いくら食べても太らないし、いくら運動しても筋肉がつかない、典型的な痩せの大食いタイプの体質だ。 一時停止のまま一定時間過ぎたために止まってしまったビデオをミノルは確認すると、テレビのスイッチを切った。そして、毛布を取り出し 「ほれ」 と直子に手渡す。 「俺は明日早番だから、そろそろ寝るから。お前の寝室は、あっち」 と、ロフトを指差した。 「あ、うん。今日は本当にごめんね」 ミノルは何も言わずにベッドの中に入った。 「あれ? 今日は一緒に寝るの?」 「俺も給料明けで結構ハードだからな。今日は何が起ころうと固い床ではなくやわらかい布団で寝るつもりだったから」 |
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