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第七章

「よかった……。とんでもない事やってたらどうしようかと思った……」
 安堵のため息をつく星来。
「とんでもない事ってなんだよ?」
「その……、夜這いでもやってたらどうしようかと……」
 星来の言葉にミノルは大笑いした。
「もしそうなったら、空手使いの酔っ払いだからな。間違いなく俺は犯されてしまうな。くにのおっかさん、元気ですか。ミノルはなんとか貞操を守りきることが出来ました、ってか?」
「なに訳のわからない事言ってんだよ」
 星来も言いながら思わず笑ってしまう。
 星来は、恵に無断欠勤の相談を受けて、そのために恵の家から店に電話した事は覚えているが、それ以外のことは全く忘却の彼方に飛んでいた。
「ま、犯されるのは俺はごめんだけど、両者合意の上でならいつでもいいぞ。なんなら今からやるか? ちょうど都合よく寝起きだから元気いっぱいだし」
 と言ってからミノルはサッと身構えた。今までのパターンだとこういうシーンでは間違いなく星来の拳が飛んでくるからだ。しかし星来は殴る格好をするものの、ミノルの顔に当たるか当たらないかのところで寸止めする。
「とりあえずトイレ行ってきな。寝起きの時のはオシッコが溜まってるのが原因なんだろ」
「え? ああ……」

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