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第七章ドアの覗き窓から外を見ると、星来の姿があった。鍵を開けてドアを開けると星来は勢いよく飛び込んでくる。「おい、チャイムがあるのになんでドアを叩くんだよ」 ミノルの言葉に星来は答えず、ズカズカと上がりこんでくる。そしてベッドまでたどり着くと、そのままバタンと倒れこむようにベッドに横になった。 「お・おい、何だよ?」 星来の顔を覗き込むと、既に熟睡していた。 ミノルは何も言わずに星来に布団をかけてやると、ため息をつきつつ自分は毛布に包まって床に寝転んだ。 翌朝、ミノルは星来に揺り起こされて目が覚めた。 「ああ、起きたのか。お帰りはあっちだよ。俺はもう少し寝る」 ミノルはそう言うと欠伸をしながらドアの方を指差した。 「ちょっと起きて。私、なんか変な事言ったりやったりしなかった?」 「いきなり部屋に上がりこんで何も言わずにベッドに横になったのが変な事だとしたら変な事ではあるけど」 「……それだけ?」 「? ……ああ」 |
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