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第七章

 ミノルは顔を上げて天井を見ながら
「まぁ、飲み会仲間にもいくつかグループがあるからな。俺がよく話をするダチのグループと星来のグループは別だから、飲み会という場ではこれが自然だよ」
 と答えた。いつものミノルならこんな質問されたら憮然とするところだが、今日は少し酒が入っているので割と機嫌よく受け答えする。
「なるほどなぁ。ところで、その星来ちゃんは?」
 ミノルは顎をしゃくりながら
「あそこにいるぞ」
 と言う。
 恵はミノルに崇広を任せると、立ち上がって星来のいる方へ向かった。

「星来ちゃん」
 星来は声をかけられて振り向く。
「あ、恵ちゃんか」
「ちょっとええ? 二人だけで」
「いいけど?」
 星来は答えると、雑談していた仲間に「ちょっとゴメン」と言って、恵と一緒にその場を離れた。


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