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第七章

「解ったわ。この答えは私の胸の内にしまっておく。誰にも言わないから安心して」
「間違っても星来にだけは言うなよ?」
「言わないよ、あたしからは。でも、ミノルももうゲームを打ち切りにして、負けを認めたほうがいいんじゃない?」
「……やかましい……」

 その日は久しぶりに定例の飲み会が会った。
 ミノルと星来は打ち合わせする事も無く、いつものように離れて座る。
 その日の主役は崇広だった。
「もう既に知ってる人もいるかもしれないけど、俺にもとうとう彼女が出来ました! というわけで、今日は連れてきてます!」
 と恵を紹介する。
「恵いいますぅ。よろしく〜」
 一次会から二次会まで、崇広は、まるで人生の春を謳歌するように飲んで飲んで飲みまくっていた。そろそろお開きと言う頃には、もう完全に潰れていた。
 恵は横になった崇広に自分の上着をかけてやると、たまたま近くにいたミノルに声をかけた。
「本当に飲み会ではミノルはんと星来ちゃんは一言も口聞かへんねんなぁ」


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