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第六章

 そして夜。最初から泊まる気満々だった直子だけでなく、なぜか星来もミノルの家に泊まる事に。
「また俺は床で寝るのか……?」
 ミノルが憮然とした表情で呟くと
「あ、それは大丈夫」
 と言いながらロフトに上がるはしごに乗って上を覗く直子。
「相変わらず片付いてないねぇ。でも、寝るスペースはあるな。毛布貸して」
 と言いながらロフトに登っていく。
「じゃあ、ベッドは二人で使ってね」
 ミノルと星来は顔を見合わせて呆然とする。
「ほら、ミノル、布団に入って右手を横に伸ばす!」
 直子が怒ったような声で言うのでミノルは慌ててその言葉に従った。
「星来ちゃん、その腕を枕にして横になる! 早く!」
 星来も急かされるように直子の言うとおりにした。
「おっけーね、うん。じゃ、おやすみっ」
 直子はその言葉を残して、寝るために頭を引っ込めた。




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