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第六章崇広はしばらく考えてから、星来に向かって「彼女がいるにも関わらず、他の女の子を家に泊めるようなヤツなんてやめて俺に乗り換えない?」 と真面目な顔をして言った。 その言葉が終るのとほぼ同時に、星来の拳が崇広の顔面に炸裂していた(ミノルに対してより大幅に力をセーブはしていた)。 星来は崇広を殴りつけてから崇広の背後に目を移すと、直子と恵となぜかミノルまでどつきをかましていたのが見えた。 「あれぇ? 直子さん、なに崇広の後頭部にヒジ打ち付けてんの?」 「ミノルと星来ちゃんを引き裂く輩は何者であろうと許さないの。それより恵ちゃんは? 思い切り平手で背中を叩いて。もしハダカだったら真っ赤な“もみじ”が出来てるところよ?」 「私は関西やから、思わずツッコミ入れてしもうただけや」 などと、直子と恵は言葉を交わした。 そして 「それで、ミノルは?」 「それで、ミノルはんは?」 とほぼ同時にミノルに言葉を振る二人。ミノルは崇広の脇腹に蹴りを打ち付けていた。 「やっぱり自分の彼女が取られると思ったら気が動転したのかな?」 悪戯っぽい目でミノルに詰問する直子。 ミノルは慌てて足を引っ込める。 |
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