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第六章「付き合ってること知られとうないやなんて、星来ちゃんて意外とウブやねぇ」という恵の言葉に星来は珍しく苦笑した。 「ところで、こちらの美人は?」 崇広が直子を見ながらミノルに聞いた。 「君ぃ、あたしのこと美人なんて、若いのに見る目あるねぇ。なかなか見所あるよ、うん。そんな君に敬意を表して自己紹介してあげよう。あたしは直子。ミノルの彼女よん! ……元、だけど」 ミノルが答える前に直子が答えた。 「元カノと、今の彼女が一緒に彼氏の家に来ているわけか?」 崇広は驚くが、さらに直子が追い討ちをかける。 「ちなみに現在、新婚人妻です!」 崇広は、カタンと顎を胸まで落とした。 「アゴ外さんといてよ。いちいち驚き方がオーバーなんやから」 恵が言いながら、崇広の顎を元に戻す。 「……その、現在人妻の、元彼女のあなたが、なぜここにいるんでしょうか?」 恐る恐る聞く崇広に、平然と 「泊まるため。旦那とケンカして家出してきた。おっけー?」 と答える直子。 |
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