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第六章

「あ、鍵かかってない、開いてる。お〜い、いるか〜?」
 と、星来がドアをあけた。
 直子は下着姿、ミノルは上着を脱ごうとしている(フリをしている)ジャストタイミングだった。
「……なにやってんの?」
 冷静に聞く星来。その後ろで例の彼女が
「あ〜! 浮気や、浮気ぃ〜!」
 と叫んでいた。
 来客に気がついた直子は
「あ、星来ちゃん、いらっしゃい! そちらは友達?」
 とブラを外しながら声をかけてきた。
「ちょっとダンナとケンカしてね、家出してきたのよ。これからシャワー浴びるところだから、ちょっと待ってね」
 言いながらブラを外すと、ミノルの肩にかける。そして、ショーツも脱ぐとこれまたミノルの肩にかけてユニットバスの中に入っていった。
「あ、なるほどね」
 星来は一人納得するが、例の彼女は意味が解らない。
「なんで冷静でおられるん?」


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