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第五章

「確かにミノルの店ってテレクラとかそういう単語は入ってない、何も知らない人が聞いてもどんな職場かはわからない店名だけどさ、私だって風俗してるんだから蛇(じゃ)の道は蛇(ヘビ)よ。業界内では結構有名な店だし」
 なるほど、という顔をしてミノルは頷いた。
「ま、今の私らは星来とミノルではなく、メグミと客だからね。せっかくだから遊んでく?」
「遊ぶって何を……?」
「私と付き合うことが決まった時に一回ヤッただけでしょ? たまってんじゃないの?」
「あのなぁ……」
 ミノルにはそんなつもりは全く無いのだが、星来は勝手にてきぱきと服を脱いでいった。ミノルと星来が一回だけセックスした時も恥ずかしがるような素振りは見せずにぱっぱっと裸になったのだが、今日の星来はそのとき以上に平然と裸になっていく。
「……見知らぬ客にそうやって裸を見せてるわけか……」
「嫉妬した?」
「そんなんじゃねぇよ。今のお前はメグミだから星来が裸を見せるのとは意味が違うからな」
「解ってるじゃん。これはあくまで仕事だからね。仕事でいちいち恥ずかしがっていたらやってけないよ」
 言いながら、星来は嬉しそうに笑った。



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