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第五章

 新宿歌舞伎町。ミノルと星来が向かった先は、ファッションマッサージ、いわゆる風俗の店だった。クラブのような飲み屋を想像していたミノルは開いた口がふさがらない。
「同伴出勤っていうのはこういう店では無いからさ。私が入って少ししてから入店してよ。『メグミ』を指名してね」
 言いながら星来はミノルにお金を渡すと店の中に入っていった。

「いいのかよ、未成年がこういう店で働いて」
 個室に通されると開口一番、ミノルは星来に問いただした。
「知らないの? ソープとかならともかく、ヘルス(ファッションマッサージ)なら18から働けるのよ」
 平然と答える星来。
「それにしても、ノルマ達成のためとはいえ、よく彼氏という事になってる人間に自分の仕事打ち明けるな。黙ってればオレは永遠に知らずに済んだものを」
「私だけアンタの仕事知ってるのはフェアじゃないでしょ。お互い親には知られたくないアンダーグラウンドな仕事だし」
「そうそう、なんでオレの仕事知ってんだ? オレの出勤を知るために職場に電話した事は知ってるけど、オレの親なんかちょくちょく職場に電話かけていながら未だにバレてないぞ」



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