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第四章

「今は家にいるな……。よし」
 星来は再び受話器を上げ、今度は別の番号をダイヤルした。

 ツーツーツー……

「間違い電話かな? だったらスミマセンくらい言えよな」
 ミノルはブツブツ言いながら受話器を置いた。
 それからしばらくして――。

 ピンポーン

「は〜い。……誰だろ」
 ドアを開けると、見知らぬ男性が立っていた。
「なんの用ですか? 新聞なら間に合ってますよ。テレビもNHKは見てませんし」
「あ、いえ。ビデオをお届けにあがりました」
 なんのビデオだ?
「そんなの頼んでませんよ」
「あ、いえ。お金は後で払うから、立て替えてくれという伝言です」
 訳もわからず代金を支払った。
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