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第三章

「こっちが今でも付き合いが続いている元彼女の直子だ」
 わざと「付き合いが続いている」という部分を強調して言うミノル。そして直子に向かって
「こいつが今付き合っている事になっている星来だ」
 と、いかにも嫌そうに星来を紹介する。これで星来が怒り出したらしめたもの。一気にゲームを終わらせられる。が
「よろしく」
 と右手を差し出す星来。拍子抜けした顔で握手に応じる直子。ミノルは目が点になっていた。
「直子さん、急ぎ?」
「いや……ほんとは時間あるけど……」
「じゃあ、上がっていってよ」
 部屋主のミノルの許可も得ずに勝手に星来は直子を部屋に上げた。








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