もどる

第三章

 その時、電話が鳴った。
「はいもしもし?」
『あ、ミノル? ちょっとこの町まで来たんだけどさ、ついでだからミノルの家に遊びに行こうと思ったんだけど、今日はバレンタインだよね。新しい彼女とラブラブだったら悪いなぁ、と思ったから一応電話してみたんだけど』
 直子だ。
「あ〜、こっちはかまわんぞ。いつでも来いや」
『え? あ、そう。じゃ行くね』
 この頃のミノルは星来とのゲームを一日でも早く終わらせる事を考えていた。だからあえて星来がいるこの時の直子の訪問にOKしたのだ。

「誰?」
 星来の問いに
「さぁ」
 ミノルはサラッと答えた。




前ページ
次ページ