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第二章

 部屋に入ったところでミノルは思わず舌打ちする。テレビの画面に砂嵐が映っていたからだ。
「そういえばテレビ、付けっぱなしだったな。電気代無駄にしちゃったな……」
 ミノルは呟きつつ、星来をベッドに寝かせた。

「いつからあそこに座ってたんだ?」
「二時間くらい前……かな……」
 今の季節は真冬だ。
「それじゃ熱出して当たり前じゃねーか。この大馬鹿もんが。とにかく今日はここに泊まれ、仕方ねーから」
 ミノルはそう言うと、毛布を取り出してフローリングの床に寝転んで毛布に包まる。
「一緒に寝ないのか? この前けだものみたいに私を犯したくせに」
「人聞きの悪いことを言うな、てめぇが勝手に素っ裸になったくせに。風邪引きと一緒に寝てうつされたらたまらんからな。いいから黙って寝ろ」
 言いながらミノルは「俺もお人よしだな」と思った。





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