もどる

第一章

「アンタと付き合うと決めてからそういうことがあるかもしれないって予想はしてたからね。それよりアンタ、嫌いな人間でも平気で抱くなんて、女なら誰でも構わないってことじゃない。最低な男ね」
 彼女も皮肉を言い返す。
「……とにかく今日は引き分けだな」
「そうだね」
「でも覚悟しろよ、俺はあくまでお前が嫌いだからな。そういうつもりで扱うから。根を上げたらそれで終わりだぞ」
「そっちこそ私の事好きになんてならないでよね。大嫌いな人に好かれてもヘドが出るから」
「それは絶対無い。勝つのは俺だ」
「じゃあゲームに乗るね?」
「引き分けてしまって後に引けるか」

 こうしてミノルと星来のゲーム――男女交際――が始まった。






前ページ
第二章へ