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第一章

「しょうがないなあ。ちょっとどいて」
 星来の言葉にミノルは思わず離れてしまう。
「なにするんだ?」
「だから、アンタが私を脱がせれないのなら、自分で脱ぐしかないでしょ」
 星来はそう言うと、服を脱ぎだした。「やる」と言ってしまった以上、止めるわけにはいかない。あっという間に下着まで脱ぐと、星来はベッドに横になった。
「さ、どっからでもどうぞ」
 ここでやらなきゃ逆に俺が根を上げたって事で負けじゃないかよ……。
「も・もう、どうなっても知らねーからな!」


「アンタ、早いな」
 下着を着けながら星来が笑みを浮かべた。不敵な笑みか、悪戯っぽい笑みか、あるいはそれ以外か、ミノルには全く判別できない。
「……悪かったな。それよりお前、嫌いな人間に体許すなんて、誰でもかまわず寝るみたいじゃないか。最低な女だな」
 ミノルは皮肉を言った。


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