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第五話「電車でGO!」

 と先生。
 ……お祖父さんって、たしか卑弥呼とも親密な仲だったとかって言ってなかったっけ……? そのお祖父さんが平成の世の中にまだ生きてるの……? いや、それよりもなんで迎えに行く必要が? ドラゴンだから飛べばいいじゃないの?
「あ、あたしもついっていっていい? お祖父さんに会ってみたい」
 ちょっと先生のお祖父さんに興味を持ったあたし。
『いいよ』


 玄関先であたしを背中に乗せて飛び立つ先生。
「それじゃあ、いってきま〜す」
「晩御飯までには帰ってくるのよ〜」
 言葉だけ聞いたらありふれた親子のやり取り。


 先生に乗って空飛ぶのは三回目。最初のうちは下を見下ろしては悲鳴をあげていたあたしだけど、既に慣れたのか、地上の景色を楽しむ余裕も出来ていた。
『仮にも空飛んでるんだからね。そんな乗り方不安定で危なくない?』
 と先生。
 あたしは先生の背中に横座りして、手を先生の首に添えていた。自転車の荷台に横座りして、漕いで
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