松丘Ｋのオリジナル小説サイトＫＡＹ'sBook ──Dragon Teacher──

第五話「電車でGO！」

『なるほどなるほど……』
「で、ここまでゲーム進めたんだけど、あたしドラクエ初体験なんだ。ちょっと詰まってしまって……」
『ん？　どこ？』
「この町に入ろうとしたらゴーレムが現れて入れないの。倒そうとしても滅茶苦茶強くて」
『ようせいの笛持ってる？』
「なにそれ？」
　と、こんな風にしばらくドラクエI攻略のヒントを先生に聞くあたしであった。あまりゲームに興味の無い読者の皆さん（？）には意味不明だろうから、内容については省略するけど、意外にも先生はかなり年季の入ったゲーマーだった、という事だけは言っておこう。
『で、この主人公、いちろう……？』
「うん、テキトーに。でもギャグだよね～。ドラゴンがドラゴン退治なんて」

「そろそろお昼にしましょう～」
　一階からお母さんの声。あたしは返事をすると、先生と一緒に階段を下りた。
『それじゃあ、私は失礼します』
　という先生に
「せっかくだからお昼ご飯、御一緒しましょう」
　とお母さん。お父さんも
「それはいい」

前ページ
次ページ