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第四話「テストはお任せ」

「これってもしかして……」
 あたしは引き出しの奥から以前のテストの答案を引っ張り出して、教科ごとの問題の傾向を調べてみた。思ったとおりだ。ウチの学校の先生の問題の出し方のクセをこの問題集は完全にコピーしている。いつのまにウチの学校の先生のクセまで調べたんだろ……。でも、確かにこの問題集、教科書見ながらでも解いたら、学校の先生のクセを把握した事になるから、実際のテストでもかなりいい点に結びつくだろう。
「今度先生が来たら、マジで謝ったほうがいいな……」


 それから一週間、あたしは先生に勉強を教わる夢をなぜか毎晩見ていた。


 いよいよテストの前日。先生が家にやって来た。先生はまるで人間のように目の下にクマを作っていた。クマのあるドラゴンの顔。ハッキリ言ってかなり怖い。
「あ、あの、……この前はゴメンナサイ!」




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