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第四話「テストはお任せ」

 口の中に火を含んだまま言う先生。
 やばい。さすがにこれ以上しらばっくれてたら、あたしの命が危ない。
『嘘だね?』
 先生のあたしを見る表情が一層険しくなった。
 あたしは最後の手段とばかり、椅子から降りて床に土下座して突っ伏した。
「お許しください、お代官様! この一週間遊んでばかりで全然手を付けてませんでした! でも、これだけは信じてください! 一応開いてはみたんです! でも、あたしにはレベルが高すぎて……」
 うん、開いてみたっていうのはあくまで真実だ。
『フゥ……。そんな事だろうと思ったよ』
 え? 思った?
「あたしの思考を読んだ上で、嘘だって言ってたんじゃないの!?」
『読んでも同じ結果だろうと思ってたから、あえて読まなかった』
 じゃあ、最後の最後までしらばっくれてた方が良かった……。
『変なこと考えないように』
「……!? スミマセン……」
 どうでもいいところで思考を読むみたい。



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