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第四話「テストはお任せ」

 それから一週間、あたしは友達に誘われてはカラオケに行ったり映画を見たりゲームセンターに行ったり、といった日々を過ごした。学校からの宿題もほとんど手をつけず、学校に行ってからクラスで一番頭がいい子にノート借りては写させてもらう、という毎日だった。


『さあ、問題集は出来たかな?』
 出来てません。というかやってません。
「えっと、学校からの宿題も結構多くて、それで問題集に手をつけるヒマ無かったの」
 一生懸命(嘘の)弁解をするあたし。
『嘘だね?』
 先生はあたしの思考を読んだ上で言ってるのだろうけど、あたしはあくまでしらばっくれる。
「嘘だなんて、一体何を根拠に言ってるの?」
『嘘だね?』
「ったく、変な言いがかりはやめてよ」
『嘘だね?』
 こんな調子でしばらく言い合いするあたしと先生。
「……だから、どのへんがどう嘘だっていうの?」
 そのとき先生の口の中からチロチロと炎が見えた。
『嘘だね?』
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