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第三話「学校へ行こう」

 そんなざわめきをあたしは完全無視して
「で、先生、どうする?」
 と聞いた。
『よし、それじゃあ君にはスーパーヒロインになってもらおう!』
「すーぱーひろいん……?」
 先生が言うには、ようするにあたしがドラゴン退治したように見せかけるというわけだ。それで先生が逃げるように退散すれば、先生も無事にその場から離れられる。
「でも、それじゃあ先生、やられ役になっちゃう」
『教え子のためなら仕方が無い……ちょっとカッコいいかな?』
「はいはい、カッコいいです」
『「はい」は一回』
 まだ言ってるし。
「じゃあ、そういうわけで、さぁ〜! 来い!」
 あたしは先生に向かって臨戦態勢(のフリ)をとった。
『思い切り火力弱めて火を吹くからね。私が言うように動くんだ』
 先生が小声で言った(テレパシーだから小声も大声も関係ないけど)。あたしは無言で頷く。
『右』
 と言いながら火を吹く。あたしは先生の言葉どおり、タイミングよく右へピョンと飛びのける(フリをする)。
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