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第一話「先生がやってきた」

 とかなんとかやっているうちに夜も更けた。
『あ、もうこんな時間か。じゃあ今日はそろそろ終わりにしようか』
「あ、は〜い」
 あたしはノートを閉じて椅子から立ち上がった。そして二人して(一人と一頭?)部屋を出て階段を下りる。
「あ、もうお帰りですか?」
 というお母さんの言葉に
『はい』
 と答える先生(?)。あれ? なんでテレパシーでないと話できないのに、お母さんに対する返事があたしにも聞こえる(感じる)んだろう……?
『人を超えた能力の持ち主に取っては雑作もないことだよ』
 さいですか……。
 その時お父さんはソファに座って煙草を吸おうとしていた。が、ライターがガス切れなのかなかなか火が点かない。
『あ、火、貸しましょうか?』
 と先生(?)。……ちょ・ちょっと待ったぁ!! 火ってアンタ、まさか!?



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