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第一話「先生がやってきた」

『……とベティは言いました、ってとこかな?』
「そ・そうですかぁ。じゃあここは?」
『それは……』
「じゃあつまりこれはこういう訳で……」
『そう、だから……ということになる』
 ……ひょっとして、結構わかりやすい……?

「ちょっと休憩してお茶とお菓子はいかが?」
「は〜い、置いといて」
 結局お母さんが差し入れに来た頃には、(不覚にも)しっかり勉強していたあたしであった。でも実際説明とかも面白い上にすごく解りやすい。気付いた頃には馴染んでしまったのも、ドラゴンに対して普通に話していたお母さんの血があたしにも流れている証拠なんだろうな。

「えっと、英語の他も教えれるかな?」
『私を誰だと思ってるの? 仮にも神に等しいドラゴン様だぞ?』
 はいはい(口にすると「はい」は一回とか言われるので心の中で相槌。でもどうせ心も読まれてるだろうけど)。
「じゃあ、今度のテストの範囲なんだけど……」
『任せなさい。全教科九十点以上は取らせてあげよう』
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