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第一話「先生がやってきた」





「うわ────!!」
 あたしは一瞬間をおいてから叫ぶと、その爬虫類の顔を両手で押しのけ、ベッドから飛び起きると一目散に部屋から逃げ出した!
「うあっ!?」
 階段(あたしの部屋は二階にある)を踏み外した!
「あ〜あ〜あ〜!」
 頭の中で蒲田行進曲のメインテーマが流れ、あたしは見事に階段落ち!
「なんですか、騒々しい!」
 お母さんだ。
「お・お母さん! あ・あたあたあたしの部屋に、かかか怪獣が…!」
 爬虫類らしい事は確かだけど、それがなんなのか解らないから怪獣と表現するしかない。
「なにバカなこといってんの、この娘は」
 言いながら階段を上るお母さん。あたしはその後ろについていく。
 お母さんがあたしの部屋の中に入った。あたしは部屋の外でガタガタ震えていた。
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