もどる |
13R 他団体社長が慌てて体裁を取り繕う。かつてはNJWPに沙希さんと同期で入門していたので、社長も長谷川さんの事は知っているのだ。長谷川さんは憮然とした表情で社長に「御無沙汰してます」と言ってから「例の件、新聞沙汰になってしまって、ウチの社長に怒られて、謝罪するため“だけ”に“忙しい中わざわざ時間割いて”出向いたんだけど……」 と続けた。 「あ、そ・そうなの……。いや、それは、その、ウチの沙希にも責任が、ね……?」 社長はしどろもどろに言うが、長谷川さんは全く聞く耳を持たずに 「今の馬の骨の団体って発言、ですか? ウチの社長に話したら大喜びするでしょうね?」 と不敵な笑みを浮かべた。 結局、お互いに謝罪しあって和解して事が終わるはずだったこの一件は、社長のとんだ失言が原因で女子プロ界全体を巻き込んだ大きな事件に発展してしまう結果になってしまった。 ジャパンレディースプロレスリング緊急記者会見が行われたのは、その翌日だった。代表取締役社長青野ゆう子さんとエースの長谷川美幸さんが会見に出席。 「NJWPの大島社長の馬の骨発言はメジャー団体のおごりです! 我がジャパンレディースだけではなく、全てのインディー団体を敵に回したと言っても過言じゃありません!」 青野社長が記者に食って掛からんばかりの勢いでウチの社長への怒りをぶちまけると、長谷川さんも |
前ページ 次ページ |